
先日発売した「無抵抗被害者case.1」へ、たくさんのレビューや感想を頂きました。本当にありがとうございます。とっても嬉しいです。
私のような弱小作家(作家と呼べるかどうかも怪しい)が己の作品について語るなどあまりにも恥ずかしいことだというのは承知の上ですが、頂いたコメントが本当に嬉しかったので少しお話させて下さい。
主人公の容姿について
制作中ずっと「これは売れないだろうな」と思っていました。ヒョロガリの垢抜けてない暗め気弱非実在成人男性がだ~いすきなのですが、これまでの人生で同志を一人も見たことがなかったのです。完全に自己満足で終わると思っていました。
ですが、コメントやレビューなどで主人公の容姿についてポジティブに言及して下さった方が二人もいらっしゃいました。こういうデザインのキャラはなかなかいないとか(本当にそう)、いかにも弱者なのがいいとか(いいよね)、本当に嬉しすぎて叫びだしそうです。ずっと、ずっとそういう話がしたかったんです。
ヒョロガリの垢抜けてない暗め気弱非実在成人男性、大好きなんですが商業作品ではなかなか見かけませんね。「暗めで気弱」なだけならより取り見取りなんですが、そこに「ヒョロガリで垢抜けてない」を組み合わせてしまうと二次元のキャラクターとしては意外性が足りないので採用されないのでしょう。
こういうキャラクターの属性名って何かあるのでしょうか。陰キャ・地味・根暗あたりかと思うのですが、どれもオカルトマニアちゃん系統の女の子の投稿が多いんですよね。対象が男か女かで住み分けした方がよいと思うのですが、男専用タグを考えたとしても私の力では広められないので、先導者となって下さる神絵師が現れるのを待つのみですね。
ソフトリョナについて
先の項目と重複しますが、こちらも「売れないだろうな」と思う要因の一つでした。というのも、リョナタグを見る限りソフトリョナよりもグロリョナ・ハードリョナ・格闘技系の作品が圧倒的に多いのです。
女性向け二次創作BLでは曇らせ・精神リョナ・軽度の暴行描写を含む作品はごまんとあるのですが、一次創作では作品も愛好者もなかなか見かけません。本命はグロリョナだけど気まぐれにソフトリョナも描くという方はお見掛けしますが、ソフトリョナが本命という方は見たことがありませんでした。(探し方が悪いのもあると思います)
大げさだと思われるかもしれませんが、とても寂しかったです。ソフトリョナが本命の人間が自分しかいないと本気で思っていたわけではないのですが、やはり存在を認知できないと孤独を感じるものです。
けれど今作の販売を経て、少なくとも百人はソフトリョナをオカズにできる人間が存在するということが分かりました。すごく嬉しいです。この数字を知るために私は一年もの間、可処分時間を全てつぎ込んでこの作品を描いていたんです。報われました。本当にありがとうございます。
さらにレビューでも「グロリョナは好きじゃないけどソフトリョナは好きな人向け」と、まさに私が目指していた方針を理解して言葉にして下さった方が二人もいらっしゃいました。お金を出して読んで下さっただけでも本当に嬉しいのに、時間と手間をかけてまでこうして言葉を残して下さって本当に、本当に嬉しいです。みなさんのお言葉のおかげで私は救われました。
非快楽堕ちエンドについて
繰り返しになりますが、これも「売れないだろうな」と思う要因の一つでした。もう本当に、本当に本当に、ふざけている訳じゃないんです。主人公の容姿も、ソフトリョナも、非快楽堕ちも、本当に私は好きなんです。わざと売れなそうな要素を詰め込んで作品を作った訳ではないんです。
エロが求められているエロ同人で快楽堕ちが定番化するのは当たり前だということはもちろん承知しています。リアリティが求められていないことも分かっています。エロ同人の世界は「都合よくエッチな展開になってほしいな~」という願望を具現化するみんなの楽園です。
おそらく健康的な性癖の方にとっては、非合意モノの抵抗していたり嫌がっているフェーズは快楽堕ちに向けての前座なんですよね。でも、私にとってはそこがメインディッシュなんです。もっと食べたい。それじゃないと異常者は満腹になれないんです。
なので求められていないとは分かっていましたが非快楽堕ちにしました。どうせ売れないのだから自分にとって完璧な作品にしようと思ったんです。ですが、非快楽堕ちであることにも肯定的なコメントやレビューを頂きました。夢を見ているようです。
たかが性癖の話でと言われそうですが、あまりにも世間と己が違うものですから、すっかり自己否定の癖がついてしまいました。けど、頂いたコメントを読み返せば私の抱えている異常は決して唯一無二ではないと安心できそうです。本当にありがとうございます。
「ストーリーが物足りない」への言い訳
ごめんって。まさかそこに言及されるとは思っていませんでした。私はいかにもエロ同人な作品ばかりを読んで生きてきたので(ソフトリョナが本命だけどひたすらエッチなエロ同人も大好きです)、ストーリーなんてあってないようなものなのが当然だと思っていたんです。
なのでむしろ前置きが6pもあることがマイナスだと思っていましたし、用が済んだらとっとと終わるのも礼儀だと思っていたので(賢者タイムにエピローグなんか読めないから)、本番シーンが終わった後のストーリーが欲しかったというレビューが付いているのを見た時は本当にブッたまげました。
いやでも、分かります。非合意モノってその後の展開がうまいんですよね。トラウマになっている様子とか、社会復帰できるのかできないのか、周りとの空気感はどうなのかとか、そこが悲惨であればあるほど後味がよくなるんです。なので物足りないというコメントもすごく嬉しかったです。
実はアフターストーリーもちゃんとあるのですが、恐らく漫画にはできないと思います。先ほども少し触れましたが、この作品の制作期間は一年なんです。二次創作もやりながら二足のわらじで作ったとかではなく、可処分時間全てつぎ込んで一年です。め~ちゃ筆が遅いんです。
モノクロにすれば時短できるのではと言われそうですが、私はベタトーン処理が壊滅的にヘタクソなので、モノクロにすると塗っては消して、塗っては消してを信じられないほど繰り返さなければならなくなり、結局カラーと同じくらい時間がかかります。マジです。
あと製作期間中にこの主人公を頭の中で育てすぎてアフターストーリーがめちゃくちゃ長くなっているので、そういう意味でも全てを漫画にするのは不可能です。でもせっかくだから形にしたいとは思っているので、小説にはするかもしれません。漫画じゃなくてすみません。
おわり
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。エロ同人で百本しか出ていないというのは世間的には大失敗であり反省すべきことと思いますが、それでもこの主人公・ソフトリョナ・非快楽堕ちでこんなに多くの方に読んで頂けたことは私にとっては大成功ですし、世間に阿り大金を得るよりも大きな喜びが得られました。どれもこれもみなさんが購入して下さり、コメントやレビューを下さったおかげです。本当に感謝しています。ありがとうございました。